ずっと読みたかった本が届いて、今読んでいる。非常に面白くて大満足である。
タイトルは「東海林さだおの弁当箱」
皆さんは東海林さだおをご存知ですか?
知らない?そんなはずはない。
では質問を変えよう。
彼をごぞんじですか?
東海林さだおさんはアサッテ君の作者として毎日新聞に40年間ご寄稿していた御大であらせられる。
その他にもエッセイストとしても有名で、エッセイのほとんどが連載40年越えと言うからこれはもはや仙人の域である。
そんな東海林さだおさんのエッセイでひときわ面白いと思うのが、料理のエッセイだ。
東海林さんの描写するご飯はたまらなく美味そうだ。
東海林さんのエッセイは底抜けに明るい。
へへへっと笑ってスラスラ読める。これはストレス社会を生きる我々にとって正に心の栄養剤と呼んでも差し支えないのではなかろうか?
俺の元に届いた「東海林さだおの弁当箱」は文庫本にして、700ページ超の大作である。
内容は全て食べ物についてのエッセイである。
まだまだ読みかけではあるが、これがべらぼうに面白い。ラーメン、弁当、ビール、みそしる、おじや、カツカレー、天丼、ハム、ソーセージ、ピロシキ、アイスクリーム、ぜんざい、イカ焼き、カニすき、かきふらい、オムライス…となんでもござれである。
あかん、書いていたら腹が減ってきた。
しかしながら、書きに書いたもんである。700ページも食べ物オンリー。しかも、どのページも明るく面白い。
俺が思うに、これはもはや狂気ですよ。
有名な奇書にドグラマグラと言うものがある。
読んだものは気が狂うと言う噂から、未だに人気の本だ。(そして未だに俺は読んで気が狂った人を見たことがない)
そのドグラマグラよりも、本書「東海林さだおの弁当箱」は奇書と呼べよう。
だって、皆さん考えてください。
あなたなら、明るくご飯についてざっと300編書けますか?
泣きたい日もあるだろう、腹が立った日もあるだろう、しかしながら、そんな感情に蓋をしてつらつらと飯についてひたすら書くのである。
「東海林さだおの弁当箱」とは、プロ根性によって作り上げられた現代の奇書なのであると俺は思うのだ。