有限会社MUGEN本舗

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個室ビデオ屋は人を狂わせる

個室ビデオ

店舗内にDVD等映像ソフトを多数揃え、それを個室で鑑賞させるサービスを提供することを目的としている。取り揃えている作品は大半がアダルト作品を占めるが、少数ながら一般の映画やテレビドラマ作品もあり、また雑誌や漫画なども扱っている店もある。

Wikipediaより抜粋

 

数年前、1人でツーリングをしている途中、ふと思った。

 

「個室ビデオ屋に行きてえな」

 

ハンドルを長い間握っていたら、違うのを握りたくなったわけだ。

 

バイクをしばらく走らせていると金太郎・花太郎が見えてきた。

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バイクを停め入店。

しばらく店内を見て回る。

 

AVは「爆乳モノ」「熟女モノ」「痴女モノ」「M男モノ」しか見ない。

その話を友人にすると「オイオイ、この兄ちゃんイカレてやがるぜ!」と言われるが、俺のAV観からすると、普通の「美少女モノ」を見ている奴の方がどうかしている。

 

俺がAVに求めるのは非日常だ。つまり、エンターテイメントだ。俺にとってAVを観るのはディズニーランドに行くのとなんら変わりない。

 

普段の生活では到底会うことがないようなタイプの女性が出ているモノしか俺は見ない。

 

普通のそこらへんにいそうな可愛い女の子なんて見ていて何が楽しい?

 

DVDを何枚か選びレジへ、時間と部屋を決める。

その時は、90分リクライニングルームを選択。

 

店員から部屋の鍵を受けとり、さて、部屋に行こう…としたところで

 

「あの…それ、SHOEIですよね?」

 

と店員に声をかけられた。

 

一瞬ポカンとなった。

俺はこの時、バイクのヘルメット片手に入店していたのだ。ヘルメットのブランドはSHOEI

バイクヘルメットの日本最大手ブランドである。

 

え、なに?ヘルメットの話?

 

俺は幾ばくか動揺した。

 

個室ビデオ屋は現代に蘇った「ディオゲネスクラブ」だ。

そこは紳士の社交場。現代のオアシス。

そこは静寂が愛される。針一つ落としてはならぬ。

 

そんな所で人に声をかけるなど以ての外だ。しかも、この個室ビデオ屋の秩序を守る法の番人のハズの店員がこんな事でどうする。

金太郎・花太郎のレベルも落ちたもんだ…

 

店員を観察する。見た目は40代半ば、ヨレヨレのネクタイ、少し禿げた頭、手垢のついたメガネ、ニヤリと口角の上がった口からはガチャガチャの歯並びが覗かせている。

 

「はい、そうです、SHOEIですよ」

 

「そうなんだー!いやー僕もね、バイクに乗っててね!ちなみに今日はどんなバイクに乗ってきたの?」

 

 

いや、知らんがな。

早よシコらせろや

 

何故、俺はエロDVD屋で世間話せなあかんねん。

 

てか、そんな話されても困るわ。萎えるわ。

 

そんな俺の心の声は到底届くはずもなく、店員のマシンガントークは続いた。

 

俺はなんとかトークを切り抜け、部屋に入室。

 

数十分後、見終わったDVDを返して、また店内で視聴するDVDを探していた。

 

 

俺はAVメーカー「プレステージ」の棚で足を止めた。

エスカレートしすぎる熟女5人、あなたの自宅に突撃訪問。2」が目に留まったからである。

http://www.dmm.co.jp/digital/videoa/-/detail/=/cid=118man00110/?i3_ref=list&i3_ord=4

 

エスカレートしすぎる熟女シリーズの中でも最高傑作だ。

出てくる女優は、北条麻妃、浅倉彩音川上ゆう風間ゆみ中森玲子。5人とも熟女女優の中でも最高レベルの5人だ。

今作では特に浅倉彩音が素晴らしい。パフォーマンス、コンディションともに1番脂が乗っている。

ふむふむ、なかなか、これで良いのではないか?と考えていると、我が視界にニュっとDVDが差し出されていた。見れば今時の可愛い系の女優だ。

振り返れば、例の店員が、ニヤニヤしながら俺にDVDを差し出していたのだった。

 

これには俺も動揺を隠しきれなかった。

 

「な、何ですか!?」

 

「好きかなって…」

 

イヤ、連れか!!!

てかなんで、お前に俺の性癖予想されなあかんねん

 

その後結局退店するまでバイク話をされた。

 

しかし、俺は不思議とこの店員に対して怒る気になれない。

 

と言うのも、彼はきっと俺の何十倍もバイクが好きなんだろう。

一日中、エロDVDに囲まれて過ごす中で、自分の大好きなバイクに乗って、しかも「SHOEI」のヘルメットを片手に持って入店しめきた客がいれば声もかけたくなるだろう。

俺の中での判決は情状酌量の余地ありとして、被告人バイク好きの個人ビデオ屋の店員を

禁固刑100年の刑に処す

本当なら万死に値するが、俺の心に残った人を思いやる気持ちに免じて今回は許そう。

なんて、当時思ったものだった。

 

 

 

あれから数年が経ち、俺も社会人になった。

仕事中のストレスと言うのは想像以上だった。

一日中座って、全く同じ姿勢で全く同じ作業を永遠とこなしていくのだ。

腰は痛めるし、心も疲労していく。

そんな中で、もしも、取引先の人が俺と同じく映画好きだったなら?

もしも、俺と同じくバンド好きだったなら?

 

俺に声をかけてきた彼の気持ちが今なら少しわかる気がする。

 

きっと彼の心はもうすでに壊れていたのだ。

彼の心は壁一面のエロDVDにより、ぺしゃんこにされていたのだ。

来る日も来る日もエロいDVDを眺め、それを目当てにくる男の客の相手をするのに彼は疲れ切っていたのだ。

 

彼は今どこで何をしているのだろうか?

彼の心は未だにあの店のエロDVDの間に挟まったままなのだろうか?

 

それとも、彼の心は大好きなバイクに乗って、どこか気持ちのいい道を走り抜けているのだろうか?