有限会社MUGEN本舗

ゲーム、バンド、漫画、映画、小説、なんでも批評ブログ

現実は不満だらけ「ミッドナイト・インパリ」(ネタバレあり感想)

f:id:yuugentmugen:20181108213601j:image

「ミッドナイト・インパリ」

監督、脚本は洒落乙映画界の巨匠「ウディ・アレン

主演はシャンハイナイトで陽気なカウボーイを演じていた「オーウェンウィルソン」

映画の花である女優達も超豪華だ。

アバウトタイムで超キュートな奥さんを演じていた「レイチェル・マクアダムス

影のある美女を演じれば右に出る者がいない、「マリオン・コティヤール

007スペクターでその健康的な美貌に虜にされた「レアセドゥ」

どんだけ美人揃えてんだよ

 

この作品、アカデミー脚本賞を受賞しており、その名声に劣らぬ素晴らしいストーリーでした。

 

・あらすじ…

主人公ギル(オーウェンウィルソン)は婚約者イネス(レイチェルマクアダムス)とその両親とともに婚前旅行にパリを訪れる。

ギルは売れっ子脚本家だが、今の仕事に不満を持っており、小説家を目指し処女作を執筆中。

ギルはパリをいたく気に入っており、パリに住みたいとすら考えている。しかし、イネスはマリブに住むと聞いてくれない。

パリでイネスの友人ポールと出会う。ポールのことをイネスはいたく気に入っているが、ギルは彼のインテリぶった態度がどうにも気にくわない。

ポールとの交友に我慢できなくなったギルは1人真夜中のパリを彷徨う。

深夜12時のベルが鳴った時、彼の元に一台の古風な車が現れる。それは1920年。ギルが憧れているパリの黄金時代へと通じる車であった…

 

・まず1つ言わせてくれ

この映画の魅力はなんと言っても、1920年のパリで実在した文化人達と出会うところにある。

老人と海」のヘミングウェイ。「グレートギャッツビー」のスコット・フィッツジェラルドピカソ、ダリ…etc etc

そう言った実在する文化人が次から次へと登場し、映画を彩っていく様は見ていてとても楽しいし、この映画の醍醐味と言っても過言ではなかろう…

 

と言うのは一旦置いといて

 

 

婚約者イネスがめちゃくちゃ嫌な奴。

これについて話をさせてくれ。

演じるのはレイチェルマクアダムス。大好きな女優だ。彼女は素晴らしい女優であることはまず間違いない。

アバウトタイムでの普通のどこにでもいそうな可愛い彼女を演じていたのが印象的で、なんとなく一途な可愛い女の子をイメージしていた。

f:id:yuugentmugen:20181108221036j:image

アバウトタイムについてはこちら

 

しかし、今作ではただの悪女

しかも、これがどこにでもいそうな嫌な女なのだ。

嫌な女でポイントその1

「彼氏を蔑ろにする」

劇中、インテリクソ野郎のポールにホの字で全くギルを顧みない。

ポールがギルをこき下ろしても、「ウンウン、そうだよね!」と同調。

「私、大学の時彼に夢中だったの」とまで言いだす始末。こんな女最悪。

ポールも嫌な奴なんだけど、それに乗っかって彼氏を蔑ろにするこいつはマジで嫌な奴。

ギルには散々自分の友人達との交友に付き合わせてヘトヘトにさせたくせに、パーティで嫌いな男性が近づいてくるとギルを盾にして逃げる。こいつマジで嫌い。

しかも結構こう言うヤツいるよね、自分のことを棚に上げて好きなようにするヤツ。

こう言うのは「いともたやすく行われるえげつない行為」ですよ

f:id:yuugentmugen:20181108222914j:image

 

嫌な女ポイントその2

否定しかしない

「いつかパリに住みたいなー」

「えー嫌よ」

万事こう言った具合。

 

この記事を読んでいる淑女の方々に言っておきたいのですが、男はたまに非現実的な馬鹿なことを言い出します。

「俺、仕事辞めてさ、農家になるわ」とか彼氏が言い出しても「は?無理に決まってんじゃん何言ってんの?」とか言わないであげて下さい。それはただの逃避の為に言ってるだけですから、「うん、そうだね、じゃあ私も一緒に行くよ」とかテキトーに流してあげて下さい。

それだけで男は少しだけ救われるのです。

 

…とレイチェルマクアダムスの嫌なところばかりあげてしまいましたね、失敬。

 

主人公ギルは1920年で魅力的な女性アドリアナ(マリオンコティヤール)と恋に落ちます。

 

おいおい、散々言っておいて主人公も浮気かよ!と思われてますね。お察しします。

 

ただ、このアドリアナがとってもステキな女性なんです。どこか影があって知的で、男が黙ってないタイプの美女。

f:id:yuugentmugen:20181108221943j:image

 

物語も終盤。ギルとアドリアナは遂に、お互いの気持ちに正直になりキスをします。

その時、馬車が現れ、彼らを1800年代へと誘います。

1800年代はアドリアナが憧れていた時代。

アドリアナはとっても楽しそう。

2人が楽しんでいるところに、ロートレックゴーギャンなど1800年代の巨匠達が現れます。

 

彼らとの会話を楽しむ2人、しかし、巨匠達はルネサンス期への憧れについて語り出します。

 

「こここそ黄金時代なのに?」

とアドリアナ

「君がいた時代こそ黄金時代だ」

とギル

 

そうです。センチメンタルはいつの時代にも共通の甘い果実だった訳です。

 

アドリアナは言います。

「ここで暮らしましょう」

しかし、ギルは言います。

「きっとここで暮らしていてもいつの日か別の時代に憧れる日がくるよ」

 

そうして、2人は別れ、ギルは現代に戻ります。

現代に戻り、イネスとポールの浮気が原因で婚約破棄。

ギルはパリで暮らすことを決意します。

その晩、以前から親交のあったレトロショップの店員ガブリエル(レアセドゥ)と偶然再会し、2人は雨のパリの中へと消えて行きました。

 

〜fin〜

 

 

・現実はいつも不満だらけだ。

 

昔は良かったなー。

よく聞くセリフだ。俺自身もあの時に戻りたいな、あの頃は良かったななんてしょっちゅう思う。

仕事で摩耗して行く日々の中でなら尚更だ。

でも、果たしてあの頃は良かったのか?

果たしてあの頃に戻れても幸せなのか?

 

我々は今しか生きられない。過去などと言うものはとうに存在しない。

ミッドナイトインパリは洒落乙映画と思わせておいて、懐古主義者達を真っ向からぶった切る明日への希望を抱かせてくれる映画でした。