マイケル・マン監督
主演は最高にカッコいい黒人俳優。
ジャンゴは俺のオールタイムベストに入る。
ジェイミーフォックス
そんなジェイミーフォックスと今回タメはるもう1人の主役がみんなご存知
この2人が真夜中のロスで暴れまくる映画。
それがコラテラルだ!!!
・ストーリー
主人公マックス(ジェイミーフォックス)はタクシー運転手。ロスで運転しだしてから12年経つ。真面目で優秀なタクシー運転手だ。
彼にはリムジン運送会社を作ると言う夢があったが、ズルズルと夢を実現できないまま、この仕事は次への繋ぎだと思いつつタクシー運転手を辞められずにいた。
ある夜、マックスは1人の女性をタクシーに乗せる。彼女は検事で明日は裁判なのだと言う。
2人は仲良くなり、女性はマックスに自分の連絡先を渡し、車を降りた。
そして入れ替わるようになって来たのが、
トムクルーズ演じるヴィンセントだ。彼は最初ビジネスでロスに来たとマックスに言う。
商談をまとめるため、一晩でクライアント5人と会わなくてはならない。一晩だけ専属運転手になってくれ、チップは弾むから。
そう言われ、マックスはヴィンセントに付き合うことに、1人目の所に着き、ヴィンセントは建物の中に入っていく。サンドイッチを食べてヴィンセントを待つマックス。
と次の瞬間にタクシーの上に人が降って来た!親方!!!空からオッさんが!!!
なんと、ヴィンセントはビジネスマンではなく、冷酷な殺し屋で今日は組織のために5人ターゲットを殺すことになっていたのであった。
こうして、マックスの地獄めぐりが始まった…
・ヴィンセントがおっちょこちょい
まずですよ、タクシーの上にターゲット落としますか?普通。
いや、ワザとじゃないのは分かっているけれど、それにしたってターゲットが窓から落っこちる可能性も視野に入れて暗殺すべきではないのかな?じゃないと、凄腕の殺し屋と言う設定が破綻しちゃわないかね?
ここだけじゃなくて、物語の中盤、あっけなくマックスに仕事道具を奪われて、高速道路に投げ込まれると言うミスも犯すし、最後は素人のマックスに打たれて死ぬし、ヴィンセントってちょっと殺し屋にしてはマヌケなのでは…と思ってしまった。
(トム様演じるヴィンセント。白髪にスーツの出で立ちが超カッコいい)
しかし、ジャズバーのオーナーを殺すシーンやクラブでの大立ち回りなどは冷酷な殺人マシーンと化したトム様にゾッとすること間違いなし。彼は人を殺すことなんて爪の垢ほども考えない。なぜならば考える前に行動するからである。
・普通のいい人マックス
主人公マックスは普通のいい人、優秀で真面目なタクシー運転手でロスの道を知り尽くしている。
しかしながら彼の本当の夢はリムジン運送業である。今の仕事は繋ぎだと思って12年。繋ぎにするには長すぎる時間だ。
ここらへん結構共感する人多いのではなかろうか?いつかきっと!俺も!と思っているが行動が伴わず、夢を夢のままで終わらせてしまっている人。
これは繋ぎ、繋ぎと思っているうちに繋ぎのまま人生が終わってしまうのだ。そこに本当の自分はいない。
・2人は鏡合わせのような存在
ここで気づいたのが、この映画の主題はサスペンスではなく、仕事と人生なのではないかと思った。
マックスはいつかきっときっとと思いつつその一歩が踏み出せない。ヴィンセントは目的の為ならばあらゆる障害を排除していく。
どちらが良いのかと言うとどちらでもない。劇中お互いを罵り合い、お互い「ぐぬぬ…」となるシーンを見ればそう捉えて間違いはないだろう。
ラスト、マックスに打たれたヴィンセント。
病院に連れて行こうとするマックスだったが、ヴィンセントは「ロスでは道で人が死んでも誰も気にしない。そう言う町だ」
と言う。これはヴィンセントからマックスへの「誰の目も気にせず、夢を叶えろ」とのエールだったのかもしれない。
マン監督らしい、男臭さ、渋さMAXのこのコラテラル。中盤からの緊迫感たるや異常なので是非ともおすすめである。