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俺は怒られない少年だった

子供の頃から怒られた記憶がほとんどない。

と言うよりも、俺が悪事を働いても誰も気がつかなかった。

 

小学校低学年の頃、体育館の倉庫で遊んでいると、ふと、天井の火災報知器が気になった。

みんなが外に出て行ってからマットの山をよじ登り、火災報知器を鷲掴みにしたり、叩いたりした。

 

すると、ジリジリと火災報知器がなり、ちょっとした騒ぎになった。結局、誤作動と言うことになり、俺の仕業とは気づかれなかった。

 

 

保育園の頃は、パンツを脱いでフルチンで廊下を走ったことがある。もちろん先生に捕まった。怒られそうになった時に、友達が「違うよ、あの子は脱がされていただけだよ」と庇ってくれて難を逃れた。

 

なんで、そんなことを言ってくれたのかよく分からないけど、とにかく俺は怒られなかった。

 

中学生に上がると更に怒られる機会は減った。

俺は割と勉強も出来たし、率先していろいろと雑用をする優等生だったからだ。

なにかと要領もよく、ドッチボールをみんなでする時なんて、大抵最後まで残っていた。

 

高校は地元の進学校に進んだ。結構勉強出来る自信があったんだけど、周りのレベルについていけなかった。少しずつだけど、俺は優等生から劣等生へとなっていった。

高校生の時、怒られた記憶は皆無だ。

そもそも学校に上手く馴染めず、ずーっと独りぼっちだったのだ。

 

俺は高校2年の頃、初めて学校をサボった。

忘れもしない球技大会の日だ。

もう、勉強が出来ない劣等感、友達がいない劣等感でもほどほどに嫌気がさしているのに、苦手な運動で恥をかきたくなかったのだ。

 

 

初めてする悪行に俺はドキドキした。

どうしよう、明日学校に行ったら先生に怒られるかな?

誰にも言わず休んだから、誰か心配してるかな?

 

翌日、ドキドキしながら学校へ行くと、意地の悪いクラスメイトが俺に近づいてきた。

「昨日、休んでたけど、先生気づいてなかったぞ。どんだけ影薄いんだよ」

 

彼はそう言うと、笑ってどこかへ行ってしまった。

なるほど、俺は怒られないんじゃなくて、気づかれていなかっただけなんだ。

 

薄々気が付いていたことなのだ。

ずーっと誰にも気づかれていなかっただけなのだ。

 

俺は透明人間と一緒なのだ。

 

クラスメイト、先生、友達も、誰も俺のことを見ていなかったのだ。

 

そう思うと悔しくて悔しくて仕方がなくなった。

 

それから、俺は次第に勉強をしなくなった。

そして、それからしばらくして学校に行かなくなった。

 

その後、不登校期間にバイトしてギターを買い滑り込みで入った三流大学で大いにバンドに明け暮れる日々を送るのだが、