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愛しの普通ラーメン

夜中は腹が空く。

腹の虫がなく前にさっさと寝てしまうのが賢いのだが、俺は途方も無い馬鹿なので、とりあえず、食べ物に想いを馳せる。

と、当然余計腹が減ってくる。

 

ピザ、そば、ハンバーガー、寿司と頭の中を好物たちが駆け巡る中、最後には必ずラーメンにぶち当たる。

 

ラーメン。いつ聞いてもいい響きだし、いつ食べても最高に美味い。

何故俺はこんなにもラーメンが好きなのだろう。とまた考えだすと、いよいよ本格的に腹が空き、ついでに眠気も覚めてしまう。

 

俺が人生で食べたラーメンで一番うまかったラーメンについて考える。

北海道で食べた豚骨醤油か…いや、違う。

夜中に兄貴が作ってくれたインスタントラーメンか…かなり惜しいところまで来てる気がする。

やはり一番は地元で食べてた博多ラーメンだろうと結論が出た。

 

数年前、まだ学生だった頃、俺はとあるリユース店で働いていた。

ここの正社員ってのが頭おかしくて、もう大嫌いだった。ここで書くと長くなるのでやめておくが、この世には大人の姿をした子供がいるのだなと俺は学べていい経験になった。

 

で、だいたい、俺みたいな若い奴は遅番を任されるわけでして、帰りはもう夜の10時くらい。

オカンは放蕩息子の俺にご飯を作ってくれなくなって久しかったので、俺はフラフラと夜の街で夕飯を済ます必要があった。

そこでよく行っていたのが、博多ラーメンと言う店。

どストレートな店名と深夜2時までやっていると言うのが非常に気に入った。

俺は、そこで唐揚げセットを頼んで、ムシャムシャ食べていたものだった。

テレビの音をBGMにヤンジャンを読みながらラーメンを貪り食う時間は無類であった。

 

ちなみに、ここの店のラーメン、全然美味しくない。普通の、本当に普通としか言いようのないラーメンなのだ。

しかし、その普通のラーメンが労働後の体には染みた。なんだか、書いていたら食いたくなってきた。

そろそろ寝なくては…おっと!いかん、腹の虫が起きてしまった…!!!