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最強格闘家になろう 第四十一話「格闘技一筋46億年」

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https://njpwdvd.com/fujinami40th/より

 

準決勝第一試合矢吹晴男対藤浪ドラゴン

試合会場、ライトの光が降り注ぐ中、2人はマットの上2人は向かい合った。

矢吹晴男は胴着に身を包み、藤浪は上半身は裸、レスラーパンツのみを着ていた。

2人とも、顔面の腫れは引いていたが、青痣が顔面の至る所に見られる。

おそらく、服の下も同じような状況だろう。

 

「藤浪…お前…手強い相手だったぜ」

矢吹は呟く

「相手だったぜ…?」

「お前、すでに攻略済みだ」

「ほざけ…」

晴男と藤浪は拳を上げ、戦闘態勢に入った。

 

試合開始の合図が鳴る。

と同時に藤浪の前蹴りが飛ぶ。

晴男のみぞおちに藤浪の足がめり込む。

晴男の身体が大きくよろけ、そこに藤浪が胴タックルをぶちかます。普通のタックルではなく、身体ごと飛びついていく、藤浪の必殺技、ドラゴンロケットである。

 

うつ伏せに倒れ込んだ晴男の片足を腋に抱えこみ、ねじり上げた。えび固めである。

その時である、晴男が跳ねた。ビタンビタンと魚のように跳ね上がる。

その勢いがあまりにも強く、藤浪の手から晴男の足が滑り落ちた。

 

「これが魚類拳法だッッ!!」

晴男が叫ぶと、隙をつき、ぐるりと身体を回し、藤浪の足首を掴んだ。

そして、魚類拳法「打ち上げられたマグロ」を使い、マットの上で跳ねに跳ねた。

藤浪は大きく体勢を崩し、尻餅をついた。

「クソッ」

藤浪が舌打ちをする。

その藤浪の身体に晴男が覆いかぶさる。

マウントポジションをあの藤浪から取ったのである。

「これが魚類拳法からの両生類拳法だ」

海(マット)から陸(マウントポジション)へ、両生類拳法ここに炸裂である。

 

晴男が拳を藤浪に振り下ろす。

何度も何度も振り下ろす。

観客は晴男の勝利を確信した。

 

それほどまでにマウントポジションを跳ね除けるのは難しい。格闘技の技術が進んだ今、マウントポジションからのエスケープの仕方はいくつか開発されたが、その多くは上の者が前のめりの体勢に移行した隙をつくものである。

 

しかし、晴男はそんなミスは犯さない。

どっしりと藤浪の上半身に座り込み、前のめりになり過ぎないよう、腕のみの力を使い浅く拳を打ち込み続ける。

誰もが晴男の勝利を確信した。

藤浪以外は

 

藤浪は考える。

晴男はポジションを奪われないように浅くしか打ち込めない、つまり、一撃で勝負が決まる様な重いパンチは撃てない。

まだ時間がある。振り絞れ、立ち上がれ、跳ね除けろ。

どれだけ、ボコボコにされようと勝負はまだついていない。

 

まず気づいたのは観客だった。その数瞬後、晴男が気づく。

藤浪がブリッジにより脱出を試みている。

大きく身体を反らせている。徐々に晴男の身体がせり上がる。

普通は不可能だ。恐ろしい背筋力が必要になる。しかし、藤浪は普通ではなく、恐ろしい背筋力を持っていたのである。

 

 

晴男はこれ以上拳を打ち込めない、反り返った藤浪に拳を打ち込めば前のめりにならざるを得ない。そうなれば、拳を捕らえられるのは必死である。

 

晴男は大きく後ろに飛び、スタンディングに移行した。藤浪が立ち上がる、鼻と額から血が流れ出ている。

 

「勝負はこれからだぞ!!!矢吹!!!」

「大丈夫、ここまで読み筋だ」

藤浪が踏み込む、左の張り手を晴男に打ち込むが、晴男は両手を上げ、固くガードした。

「これぞ、陸での生活に適応した爬虫類拳法」

鱗の様に固くガードした晴男。その晴男に藤浪は構わず拳を振り続ける。その打撃の合間を縫い、晴男は飛んだ。

「そして、これが鳥類拳法だ!!!」

大きく飛んだ晴男は鳥の翼のように両手を広げた。宙で晴男は回転し、その勢いを利用して、藤浪の側頭部を蹴り上げた。

 

が、蹴られると同時に藤浪も拳を突き出し、それが晴男のみぞおちにめり込む。

 

晴男は着地すると同時に倒れ込み、藤浪も膝を折って倒れた。

 

満身創痍である。

藤浪は顔面を殴られ過ぎた。晴男はみぞおちに二発も怪物藤浪の打撃を食らった。

「矢吹よ…まだお前の読み筋通りか?」

藤浪はそう聞くと立ち上がり、晴男にとどめを刺す為、歩き出した。

晴男もヨロヨロと立ち上がる。

「まだ読み筋だ」

 

晴男は笑った。

「これでようやく哺乳類拳法が使える。藤浪よ、例えドラゴンでも地球の46億年の歴史には勝てまいよ!!!」

 

2人は対峙した。