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最強格闘家になろう 第四十七話「第二部完結」

 

武道館から黒蟻の群れの如く人々が流れ出てきた。

皆、口々に今日の試合の感想を話し合い、その顔は満足気であった。死闘に次ぐ死闘であった。

この喧嘩凸トーナメメントで最強の格闘技とは?と言う問いに対する答えの一端が分かった。

 

最強はドラゴンカーセックス

 

皆が満足気でいる中、2人の男が歩いていた。

異様な男たちだった。

1人の男は、黒人で黒いサングラスをかけている。恰幅がいい。袖から出た拳は大きく、ゴツゴツしていた。

もう1人の男は全身黒尽くめであった。

上着もズボンも靴も。そしておそらくは下着も。

長い髪が針がねの様に下に一直線に生えている。両目は鋭く、顔面は浅黒い。

スティーピーワンダーと加賀八明であった。

 

「マスター…ザコ1人ナグルノニムチュウデ、魔門ウバイサラレルッテ…ワラエナイデスヨ」

 

スティーピーはため息をついた。

 

「アイツから情報絞り出せたしよかっただろ…かたいこと言うなや」

 

2人が歩く道の先に黒山の人だかりが出来ていた。

何だ?2人が近寄ると、号外が配られている様であった。

 

「オイ、ソリャナンダ?」

スティーピーが1人の男性に聞いた。

「おい、あんた、さっきの大会の…いや、それが聞いてくれよ、元号が変わったんだよ」

「ン?カワッタバッカリジャネエカ?」

「それが令和はやっぱりやめだって」

「ナニ!?オイナニニナッタンダヨ!?」

「新年号はオッパイだってよ」

 

!?

 

それを聞いた加賀とスティーピーに衝撃走る。

「マスター…マサカ!?」

「そのまさかだろうな…」

 

全国各地で異変が起きていた。

 

年末お馴染みの紅白歌合戦。その大トリが今から歌おうとしていた。

南島三郎である。彼は舞台裏にて、セットの上に立ち、出囃子が鳴り幕が開くの出番を待っていた。

 

その南島に番組スタッフが駆け寄る。

 

「あの、急なんですけど、大トリは急遽変更しまして、新撰組リアンさんに歌っていただくことになりました」

 

「なに!?おい、それって、どう言うことなんだよ!?」

南島が怒りをあらわにする

「いや、だって、プロデューサーが…」

 

 

年末年始クラシック。

その会場でも異変は起きていた。

年越しまであと1分と言う時であった。

 

突如として舞台に全裸の男が乱入してきた。

「お前ら!!!金持ちのインテリア共め!!年末年始、俺たちダンボーラーが凍えて死にそうって言う時に、こんな洒落込みやがって!!」

そう言うと、舞台の上で自分の尻を観客に向け、ぶっ叩き始めた。

ベチペチペチと言う乾いた音が会場に響く。

 

「うぉおおお!!!乂門!!!万歳!!!」

 

男は叫ぶ。会場スタッフが男を止めに入る。

 

年が明けた。

街で、日本中で除夜の鐘が鳴り響く。

 

加賀とスティーピーの元にも除夜の鐘の音が聞こえてきた。

 

「マスター、コレハオソラク乂門ノ…」

 

「ああ、そうだな、遂に乂門の日本転覆作戦が始まったな…」

 

年が明けた。雪がちらつき始めた。

そして除夜の鐘は鳴り続けた。まるで、その鐘の音は乂門を祝福している様でもあった。