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唐変木と猫娘 第1話「猫娘、唐変木と出会う」その1

 

どうも、遂になろう作家になっちまった牛丼一筋46億年です。

 

「最強格闘家になろう」がひと段落したので、新しい小説を書きはじめました。

ラノベとか恋愛モノっぽいのを書きたいと言う柄でもないことを考えております。

 

コメントとか書いてくれたら嬉しいぞ。

 

目次

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この世には、人には見えない世界がある。

人の心の醜さが、この世界を歪めてしまう時がある。

 

この物語は鬼と戦う陰陽師とその相棒猫娘の冒険活劇でござい…

 

0.はじまりは突然に

 

私の名前は猫目瞳(ねこめ まなこ)。


水木高校2年生。身長160センチ、体重は死んでも教えない。

 


自分で言うのもなんだけど、運動神経抜群は抜群。ルックスは、まぁ、なんというか……美少女って言えればいいんだけど…なんて言えばいいのか…うーん…そう!!!育成段階(童顔)!!!育成段階なの!!!育成段階でなおかつショートカットで化粧っ気がないから小学生によく間違われる。

 


性格は名は体を現すって奴で、猫に似てると思う。飽き性だし、あんまり細かいこと考えないし、昼寝好きだし。


将来の夢は特になし、強いて言えば毎日楽しく生きていたいなぁと思ってるくらい。


で、一ノ瀬龍雄についても紹介しとかなきゃいけない。


一ノ瀬龍雄(いちのせ たつお)。水木高校2年生で私と同じクラス。身長は多分170センチ後半。体重は多分70キロくらいかな…

 

バンプ の藤くんみたいに髪の毛長くて、肌が白くて、目鼻立ちは結構しっかりしててよく見りゃ美形と言えなくもない。


正直言って結構顔はタイプ。


ただ、性格は…なんというか…変わり者だし、細かいし、あんまり関わった事ないからよく分からないけど、一言で言うと唐変木…?

 

 

「もっと早く走れ!!!」

 

 

一ノ瀬の声が頭上で聞こえる。

月が出てなくて、とっても暗い夜の闇の中、私は彼をおんぶして、家の屋根から屋根を飛び回っている。

 

「全然慣れないんだって!!!」


私は声いっぱい反論するけど、全然一瀬は聞いていないみたい。クソ腹立つ

 


ぶつくさ文句を言いたい気持ちを堪えて私は走った。風の様に街を走り抜けていくことに爽快感を感じる私の頭からは耳が生えており、尾骨あたりからは尻尾が生えていた。

 


そう、私は猫娘になってしまった。

 


なんでこんなことになったかって言うと、話は12時間前に遡るわけで…

 


1.一ノ瀬龍雄

 

春爛漫の穏やかな日だった。

その日もギリギリまで寝て、走って学校に向かった。普通は間に合わない時間帯なんだろうけど、陸上部から熱烈オファーを受けるほどの健脚を持った私は不可能を可能に変えてしまうのだ。健康に産んでくれた親に感謝。

 


教室に着くと同時にチャイムが鳴る。

 


「セーフ!!!」

 


私はまた勝ってしまった。

 


「セーフじゃねえぞ、馬鹿野郎。今日は朝から小テストだ。馬鹿野郎」

 


教卓に立つ担任の田岡先生が私に告げる。

田岡先生は「馬鹿野郎」が口癖で口が死ぬほど悪い。でも面倒見が良いから好き。

私は尊敬と親しみを込めて、田岡先生のことを「アウトレイジ」と呼んでいたが、長ったらしいので今は「たけし」先生と呼んでいる。

 


「げ!?嘘!?たけし先生、小テストするって言ってたっけ?」

 


私は席に座りながら先生に聞く。

 

「バカやろー、抜き打ちだ、このヤロー」

 

えー、とクラス中から声が上がっている。

 


しまった。たけし先生の担当は英語。

そして私は英語が大の苦手なのだ。

そもそもなぜ日本に生まれたのに英語など話す必要があるのか…

 


みんなグローバル化という呪いに取り憑かれてんじゃないの?と頭のなかでぐちぐちと屁理屈をこねてみたけど、目の前のペーパーに書かれた問題は一切分からない。

 


うーん…と唸っているうちに、たけし先生のそこまでの声が教室に響いた。

 

後ろの席の人はペーパーを集めろ

 

と先生の声が聞こえる。

 

まずい、非常にまずい。一問も答えられてない。ええい、ままよ。と私は適当に空白を埋めはじめた。

 

「おい、もう、時間切れだぞ」

 

後ろから声がする。振り向けば一番後ろの席の一ノ瀬が立っている。手には答案用紙の束。

 


「悪い、一ノ瀬、あと5秒、いや、3秒待って!!」

 


「その答案用紙の白さならあと3秒使っても誤差だよ」

 


そう言うとひょいと私のペーパーを奪い去ってしまった。

 

「あ、鬼!!!」

 

「僕は鬼じゃない、鬼はもっと怖い」

 

一瀬は集めた答案用紙を先生に提出してしまった。

 

 

2.ランチタイムと王子様

 

「許すまじ、一ノ瀬」

 


お昼休み、混み合う学生食堂で親友の矢野亜希子(やのあきこ)と坂井泉水(さかいいずみ)とランチ。

 


亜希子は金髪で色黒。化粧もバッチリしてて大人っぽい。体つきも大人っぽい。ムチムチでクラスの男達が彼女の前で鼻を伸ばすのもなんとなくわかる。

 


泉水は小柄でメガネをかけていつも眠たそうな目をしていて、おっとりしてる。成績優秀、ピアノの腕前もピカイチの才女である。が、おっとりし過ぎてて会話がワンテンポ遅れるのが欠点。

 


私たちは高校一年生の頃のクラスがおんなじだった。

3人は性格も見た目も全然違うけど、なんとなーくクラスに馴染めないと言う事で意気投合し、それからずっと行動を共にしている。

 


「瞳の逆恨みたるや凄まじいな」

 


亜希子が呆れて言う。

 


「だって、待ってくれてもいいじゃん!!!」

 


「私は…瞳ちゃんがもう少しだけお勉強すればいいと思うの」

 


泉水がニッコリと言う。

 


「そうだぞ、瞳。このまんまじゃ一緒に3年になれねえぞ」

 


亜希子が笑いながら言う

 


「そ、そんな事ないよ!!!私の成績は安定してるんだよ!!!」

 


「赤点ギリギリの低空飛行でな」

 


2人はどっと笑った。

 


確かに2人の言うことは否定できない、勉強しなきゃな…

 

 

 

「一ノ瀬ってあの身長高くて髪の毛長い子だよね?」

 


亜希子が聞く。

 


「顔はちょっといいよね、クラスのみんなが話してたよ、一ノ瀬くんってミステリアスでなんかいい感じだよねって」

 


泉水がおっとりとした口調でいう。

 


確かに一瀬は美形だ。彼と会ったのは今学期。クラスが同じになった。

一瀬は誰ともつるまず、誰かと話してるところを見たことがない。それがミステリアスでいいって言う意見も分からんでもないけど、私はどちらかと言うととっつき難そうだな〜と思ってる。

そう、一言で言うなら…

 


「全然融通とか効かない人って感じ!!!唐変木よ!!!」

 


「唐変木で悪かったな」

 


後ろから声が聞こえる。

 


見ると、一ノ瀬が食器の乗ったお盆を抱えて立っていた。

 


「げ!?聞いてた?」

 


「あんなバカでかい声で話してたら嫌でも聞こえるよ、そのエネルギーをもう少し勉強に使ったらどうだ?」

 

「あ、憎まれ口だ!!!」

 

「よくわかったな」

 


私と一ノ瀬の視線がぶつかり火花が散る。

 

その時、キャーっと女子の黄色い声が食堂に響いた。私も一ノ瀬もそちらの方を見ると、そこには下級生の女子に囲まれた犬飼始(いぬかい はじめ)の姿があった。

 


犬飼はサッカー部のエース。ジャニーズみたいな綺麗な顔をしてるけど、どこか野性味もあり、体も引き締まってて、それでいて性格もいい。

 


なので、下級生の女の子たちから異様に人気があった。噂ではファンクラブもできてるとか。

それで、彼が食堂に姿を現した瞬間、下級生の女の子たちが騒ぎはじめたと。

 


彼はそんな下級生たちの囲いに少し困惑した様子で歩みを進めている。

 


「ヤバイ…ちょっと一ノ瀬、背中借りるぜ」

 

私は意外と大きな一ノ瀬の背中に隠れた。

 

「おい、いきなりなんだ!?」

 

一ノ瀬が迷惑そうに言う。

 

「いいから、前向いてて」

 

予想通り、犬飼は私たちの方向に女の子たちを引き連れて歩いてきた。

 

「あの、猫目はどこ?」

 


犬飼が亜希子と泉水に聞く。

 


「さぁ、王子様が猫目になんの用?」

「なんの用?」

 


亜希子と泉水が答える。

 


「いや、もしさ、いたら、一緒に、なんと言うか、ご飯でも…と」

 


犬飼が頭をかきながら、歯切れ悪く言う。

その時、ええーと取り巻きの女の子達が声を上げる。

 


「ここにゃ居ないから、ほか当たれば、あの子猫みたいにどっか行っちゃうから、私らもどこいるかわかんね」

 


亜希子が手をプラプラと振って犬飼に答える。

 


犬飼は渋々と言った表情で食堂の奥に消えていった。女の子たちを引き連れて…

 


「猫目ってさ、隠れるの超上手いよね」

 


亜希子が言うと、私は一ノ瀬の背中からひょっこりと顔を出した。

 


「でしょ!」

 


「気配まで消えちゃうんだもん、びっくりだよ」

 


泉水が言う。

 


そう、私は隠れるのが得意なのだ。

私が姿を隠そうとすると気配まで消えちゃうらしく、存在感が全然なくなっちゃうらしい…

 


「あの男…こいつのことが好きなのか?」

 


一ノ瀬が亜希子に問いかける。

 

「そうそう、幼なじみの猫目ちゃんのことが忘れられないのよねぇー」

 

亜希子は悪戯っぽく私に笑いかける。

 

犬飼と私は幼なじみだった。よくあるパターンで昔はよく遊んでたけど、お互い大きくなっていくうちになんとなく気まずくなって会わなくなってしまった。

 

それが高校生で再会して以来、こうしてよく私に絡んでくる様になった。

 

いくら鈍感な私でも犬飼が私に好意を抱いてることはわかった。

でも、あっちは今では運動部のエースのモテモテ男子でこっちはクラスのひょうきん者かつ変わり者なのだ。気まずいことこの上ない。

その上、彼の取り巻きの女の子たちの恨めしそうな顔が怖い。私はああ言う、女のドロドロした恋愛模様とかが嫌いなのだ。

だから犬飼のこと避けてる。正直、ちょっと悪いな…って思うんだけど、私もどうしていいかわかんない…

 


「とんでもない変わり者もいるんだな…」

 


そう言うと一瀬は歩き去っていった。

 


「あいつ…やっぱり嫌なやつ」

 


私はポツリとそう呟いた。

 


3.体調に変わりない?

 

下校のチャイムがなると同時に一ノ瀬に話しかけられてビックリした。

 


「おい、いくぞ」

 


「どこに!?」

 


思わず声が裏返る。

 


「どこって…俺とあんたの2人が図書委員になっただろ?」

 


そうだった。すっかり忘れてた。今学期から私と一ノ瀬が図書委員に選ばれたんだった。

そして、今日は私たち2人で放課後の図書当番なのだ。

 


委員を決めるクラス会の時、ずっと寝てたから、いまいちちゃんと覚えてなかった。しまった。

 


「あ、そうだったね」

 


「今思い出したろ」

 


「いや、全然」

 


「まぁいいけど、早く行こうぜ」

 


図書室に向かう最中、横を歩く一ノ瀬を盗み見た。

確かに、顔は結構美形だな…なんと言うか、歌舞伎役者みたいな顔してるな…

 


「なぁ、あんた、最近、体調とか変わったことないか?」

 


「え、私?」

 


不意をつかれてまた声が裏返った。

 


「あんた以外誰がいるよ」

 


「あのさ、気になってたんだけど、あんたってやめてくれる。猫目って名前があるんだからさ」

 


「…猫目は最近、体調とか変わったことないか?例えば、鼻が効く様になったとか、耳がよく聞こえる様になったとか」

 


「うーん…気にしたことないけど、鼻も耳も昔からいいぞ!なんでそんな事聞くの?」

 


「いや、なんでもない…じゃあ、好きな人とかいるのか」

 


「え!?なになになに!?」

 


私は思わずのけぞった。そんな、少女漫画みたいなこと急に聞くか!?もしかして、一ノ瀬、私に気があるのか!?えー、困る!!!超困る…確かに顔はいいけど、私たち出会ったばっかりだし…まだろくに話もしてないし…

 


「おい、何考えてるか知らんが、俺はどこぞのサッカー部みたいに気があるわけじゃないぞ」

 


「なら、なんで私の好きな人とか聞くのよ?」

 


「俺はどこぞのサッカー部が気になるんだよ。好きな女に袖にされ続けるって堪えるんじゃないかってな」

 


痛いところをつかれた。確かに一ノ瀬の言うことは分からんでもない。

でも、そんなこと、さっき話したばっかの人に指摘されるのは腹立つ。

 


「そんなの一ノ瀬に関係ないじゃん!!!」

 


「関係ね…」

 


そう言って一ノ瀬は何も話さなくなった。

私も話さない!!!ムカつく!!!