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最強格闘家になろう 第五十七話「Another world」

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https://bokuwatageinou.com/gakuto-nennrei/より引用

 

 

 

 アブダクションの結果、吉岡が行方不明となった為、第二試合はカレクッドゥの勝利となった。

 「ちくしょう、1対1か…全勝勝利したかったが…」

   原が苦虫を噛み潰したような顔でそう呟いた。

 「大丈夫です。俺が勝ってくるんで」

  山口が爽やかな笑みを浮かべてそう言った。流石、山口である。

 

 山口ヴィクトロヴィッチタッカーシー。サンボの達人、サンボマスターと呼ばれるこの男には負けられない理由があった。

 

 それは数年前、喧嘩凸版トーナメントの翌年である。試合でのダメージのため、入院していた山口を恐ろしい知らせが届いた。

 彼がサンボを教えていた道場が乂門によって買収されてしまったのであった。

 彼らは道場を壊し、跡地にタピオカ屋を建設。

 

 山口は自らの道場が壊されるのを病院で何も出来ずにただ耐えるのみであった…

 

   人を憎むのはよくない、しかし、震えるほどの夜を超えて昨日の寂しさにさよならするには乂門に勝つしかないのである。

 山口は世界でいちばんの光を放つ為にいざ決戦の舞台へと向かった。

 

 山口をコロシアムで1人の男が待っていた。乂門の中堅、朴斗である。

 

 彼は整形全開の美形フェイスによく鍛えられた身体。その全身は美の方程式によって作られたように完璧だった。

 観客席から黄色い声援が飛ぶ。

 

 「きゃー!!!朴斗さまー!!!」

  「あんなチビデブ早く倒してえー!!!」

 

   朴斗。彼はV形バンド『マリスマゼル』の元ボーカルである。

 この朴斗、謎の多い男であった。

 表の顔は音楽家として活動しているが、大した曲は発表していない。CDも売れず、ライブも一部の熱狂的なファンが行くだけのキワモノアーティスト。その癖、何故か金だけは持っていた。噂では株で死ぬほど儲けているとか、詐欺紛いの行為を繰り返していると言われているが、その実態は明らかになっていない。

 毎年、正月になると、『格付けチェック』と言うしょうもない番組でつまらないウンチクを垂れ流す全身サイボーグ男…それが朴斗であった。

 

 全てが正反対の2人が向かい合った。

 ブサイク、低身長、デブ、メガネ、熱いライブが持ち味の山口とイケメン、高身長、ガリマッチョ、整形美形フェイス、クールさが持ち味の朴斗。

 

 2人はコロシアムの中央で向かい合った。

 今、第3試合開始のドラが鳴る…

 

 一方、その頃…かつて東京スカイツリーと呼ばれた建物で事件が起きようとしていた。

 スカイツリーは乂門が政権を握った時、『巨根』と改名させられていた。

 その巨根の最上階に乂門達が神と祀る1人の男が暮らしている。

 彼の名は真島浩高。

 

 魔門の使い手である。

 そして、今、1人の男が『巨根』の前に立ち尽くしていたのであった。

 

 男はポツリと呟く…

 

「待っていろよ…ヒロ…」