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ウォッチメン ドラマ版を見て思ったこと【感想】【ネタバレ】

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予告トレイラーが出た時から気になって気になって仕方なかったウォッチメンのドラマ版が遂に配信されたので全話観てきました。

 

結論から言うと

 

めちゃ面白かったけど、やっぱ原作よな

 

と言うのが感想です。

 

今回はネタバレしまくり&俺の備忘録的に取り止めもなく感想を書いていきますね。

 

 

・キャラクターについて

まず、キャラクター最高にかっこよかったっす。新規キャラがみーんなキャラ立ちすごかった。主人公のシスターナイトはもちろんルッキンググラス、レッドスケア、パンダと言った警察(ヒーロー)の面々がみんなカッコ良かった。

 

カッコ良いだけじゃなくて、全員一癖どころか二癖三癖ある。

パンダなんて2.3回しか出てこないのに大好きになった。ルールに厳しいパンダはその名の通りパンダマスクをかぶっている。白黒ハッキリつけたがる彼の性格をよく表しているコスチュームだ。

しかし、パンダの白い部分が汚れてほとんどグレーになってるのは面白かった。

善と悪が曖昧な世界をよく表している。

 

あと、なんと言ってもルッキンググラスでしょ

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ガラスマスクに身を包んだ尋問のプロ。

実は超絶トラウマに犯されてて、ほとんどパラノイアなのが物悲しくもあり、少し滑稽。

後半に戦闘能力も申し分ないことが判明するのもテンション上がる。

 

旧シリーズのキャラも最高だったね

 

遥か木星の衛生で軟禁されて頭おかしくなっていくオジマンディアスとかシュール過ぎだろ。

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このオジマンディアスパートはドラマの中でもかなり好きなパートだった。

最初はオジマンディアスがどこにいるのか、そして何をしているのか全く理解できず、ただ、執事達を虐殺していくヤバイおじいちゃんにしか見えないが、終盤に謎が明らかになると、なるほどねーとなる。

 

そして、そんな狂人オジマンディアスとは違い、超絶人間味を見せてくれるのが、まさかのDr.マンハッタン。

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神に最も近い男が求めたのがまさかの愛。

そしてその為に能力を手放すとか…

こいつこんな奴だったっけ???

と思ったけど、映画の時から結構惚れっぽいとこあるしな。

そして、最終話での彼の最後はかなり泣ける。

シスターナイトとの時間全てにいる…と言う彼。一人で死にたくなかったとかめちゃくちゃ人間臭いこと言うやんけ

 

ふと思ったんだけど、じゃあ、この自分の死もDr.マンハッタンになった時からわかってたのかな?ならかなりしんどいよね。

オジマンディアスに殺されかけてたマンハッタンさんですが、まさか続編のドラマ版では彼の娘に殺されることになるとは…

 

さて、今作のキャラの中でも白眉なのが

シルクスペクター2世ことローリーだと思うんですわ。

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FBI捜査官になって、覆面のヴィジランテ達を狩ってるとか、かなり皮肉きいてる設定。

ロールシャッハ的な探偵役を今作では与えられている。

最後にオジマンディアスを300万人殺した罪で捕まえると言ったシーンが俺の中でこのドラマで一番カタルシス感じた。

『終わる終わると言っても世界は終わらないモノ』と言う達観したセリフは理想を追い求めるだけで世間との関わりを閉ざしてきた他のウォッチメンには絶対に言えないセリフだと思う。

 

・ストーリーについて

 

 映画版、原作の主題は勿論『米ソの核戦争』であったし、その先に『善と悪』の戦いが描かれていたのだけれど、2019年に作られたこのドラマが描くのは『人種差別』

 

第7騎兵隊と呼ばれる人種差別集団がテロリズムを行っていて、身元がバレないように警察もマスクをつけて対応している。そんで第7騎兵隊もマスクしてるって言うね。

このマスク構造って映画版でも描かれていたようにとっても滑稽なんだよね。みんな匿名性の元でしか活動できないってことはマスクの下、つまり本当は隣にいる人ですら誰かわからないってこと。

警察も第7騎兵隊もキーン議員によってコントロールされていたこと、どちらも元締めはおんなじだったって言う展開は、マスクの下はどちらも同じでしたよ。と言う皮肉が効いていてすごく良かったな。

 

だから、シルクスペクターはやってられないわとばかりに今作では仮面を捨てた彼女が探偵役として事件の真相に迫っていくのはなるほどと思う。

 

前半部分はまぁ謎の嵐で、『は!?これ、どうなってんの?』の連続なんだけど、後半の伏線回収パートが鮮やかで気持ちよかった。

 

特に、Dr.マンハッタンの正体には驚かされたな。まさか旦那だったとは。面白いこと考えるよな。

秘密を追っていた主人公が作中でいちばんの秘密を隠していたと言う…

 

あとはなんとフーデッド・ジャスティスがあんな重要キャラだったとは…

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・総括

9話で綺麗に纏まっていたし、テーマも重くて最高に満足だったんだけど、その痛快さ、やられたな!!!って感覚がどうしても原作を超えなかったのもまた事実だったなー。

ロールシャッハばりにどハマりできるキャラも今回いなかったし…

でも、2019年にウォッチメンをドラマでやるとしたらこれ以上ない最適解だったのではと思います。