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最強格闘家になろう第65話『死闘再開!!!ラウェイの恐怖』

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「ナンカ…トンデモナイハヤサデカコヘンガオワッタキガスルゼ…」

 

スティーピーワンダーは試合会場でつぶやいた。

 

「とても投げやりな何かがあった気がする…」

治療を終え、ベンチに戻ってきた藤浪ドラゴンもそう言った。

 

乂門対加賀一族の対抗戦も副将戦にもつれ込んでいた。

 

試合は2対2とほぼ互角の様相である。

この一戦が勝負の分かれ目である。

 

副将戦はスティーピーvs佐村河内責(せめる)である。

 

2人がコロシアムの中央で相対する。

スティーピーの方が少しだけ身長が高い。

 

今思えば、

 

スティーピーは考える。

 

今思えば、早いものだったぜ…

10年前、スティーピーは思い悩んでいた。

アメリカの音楽シーンで頂点に上り詰めた彼が感じたもの、それは退屈だった。

黒人シンガーとしては歴代1位の売り上げを誇る彼に最早敵はいなかったのだ。

 

そんな時だった。加賀八明と言う男に出会ったのは…

 

とある朝、スティーピーがベッドから起き上がり、リビングで朝食を食べようとした時である。

 

リビングに人がいたのだ。

驚き慌てふためくスティーピーにその男は落ち着いた声色で呟いた。

 

「お前、満足してないんだろ?」

 

「ナゼソレヲ?」

 

「お前の音楽を聴いていたら分かる。頂点に上り詰め、目標がなくなった。そんなところか…」

 

「アンタハイッタイ…ナニモノナンダ?」

 

「俺はしがないあんたのファンさ。あんたの音楽には楽しませて貰ったからな、そのお礼に今度はあんたの退屈を消しにきてやった訳だ」

 

それが加賀八明との出会いであった。

そして、加賀は武術の道をスティーピーに見せた。その道は深く険しいものだった。

 

とある武術を加賀はスティーピーに教えた。

そして、その武術にスティーピーなりの工夫を加えた。

それ以降、スティーピーは昼は音楽家、夜は格闘家としての生活を送る様になる。

 

 

 

試合開始のドラが鳴ると同時にスティーピーは左拳を佐村河内に放った。

 

加賀がスティーピーに教えた武術は

ジークンドーであった

 

ジークンドーとは、俳優であり格闘家でもあったブルースリーが考案した格闘技である。

打・投・極の全方位に対応した総合格闘技術であり、その特徴の一つが、素早く最短距離で相手を打ち倒す事を肝とする、速攻打撃である。

 

そのジークンドーにスティーピーは

オンガクを取り入れたのである。

 

リズムを拳に乗せる事で先の喧嘩凸板最強トーナメントで見せた様な連続打法を考案したのであった。

 

佐村河内に対してスティーピーが打ち出したのは縦拳で相手に打ち込む、最速拳、リードパンチであった。

リードパンチが佐村河内の顎を捉えたかに見えた。その時であった。

 

佐村河内は拳が当たる瞬間に頭を大きく後ろに反らせ、拳を躱した。

そして、伸びきったスティーピーの拳に向い、頭突きをくらせたのであった。

 

ぐちゃりと嫌な音が会場に響き渡る。

 

スティーピーワンダー、左拳、粉砕骨折。

 

「なぁ!!!あのスティーピーのおっさんが!!!」

 

ハロウィン力士原が叫ぶ。

 

「あれは間違いない…ラウェイだ!!!」

 

加賀八明が叫んだ。