俺は映画が好きだ。
どれくらい好きかって言うと、
年間100本は見るくらいのライトファンだ。
さてさて、最近(2020/9/20)クリストファーノーランの新作TENETが公開されたのでもちろん見に行ってきましたよ!!
(i maxじゃないのが悔やまれるが…県超えないとIMAX上映見れないんじゃ…)
クリストファーノーランは監督2作目の『メメント』がスマッシュヒットし、その後、『バットマンダークナイトトリロジー』3部作で人気は不動のものとなり、2010年代では超大作映画を連発そして全て大ヒットと言う「レベル高い合格点を超える映画をオールウェィズ出してくれる」監督である。
彼は大のインターネット嫌いかつCG嫌いで常に実写にこだわる(舞台が殆ど宇宙のインターステラーも実は殆どCG使ってないんですよ)監督であり、IMAX(既存の映写システムよりも高い質の音響映像を記録できるフィルムと映写方法のこと)を一般的にさせた職人気質の監督さんです。
彼が書く超高密度かつどこか厨二臭い内容の脚本と上記の様な徹底したストイックさから生み出されるスマートな画は全世界の映画オタクたちの脳汁をドバドバ絞り続けているわけです。
かく言う俺も高校生の頃に見た『ダークナイト』で厨二病全開モード突入でした。
前置きが長くなりましたね、
さて、今回『TNET』を見た率直な感想は
『理解したいと思っても出来ないので考えるのをやめた』
これまでのクリストファーノーラン史上最強に難解な作品でした。
(ノーラン先生が脚本に参加した「バットマンvsスーパーマン』もある意味難解な作品でしたが…)
※ここからネタバレ感想なので閲覧注意です
内容は『007に出てきそうなロシア出身のヤベー闇商人が時間を逆行する技術を使って世界を滅ぼそうとしているので、主人公が所属する秘密結社も時間を逆行する技術を使ってそれを止める』って話です。
内容だけ見るとハードボイルドスパイ&SF超大作で面白そうやん!!!と思うでしょう、実際面白かったですよ。いや、ホント。
でもね、難解すぎなんよ…
何回も何人も時間を逆行して、行って、戻って、戦って…って言うのを同じ画面でやられるわけで、理解と動体視力が追いつきません。
ノーランのことを語る時、2001年宇宙の旅を引き合いに出される方がいますが、俺はどうかと思います。2001年宇宙の旅は超絶引き算の手法です。敢えて情報を少なくすることで謎を作っています。しかし、ノーランは真逆。超情報過多にして高密度な話を作り出す人です。
今回はその密度があまりにも高密度。とんでもない情報量で初見で内容や伏線を全て拾えた人は殆どいないでしょう。
俺なんて要所要所で『なんぞこれ?』
状態でした。
もちろん、ラストで明かされる『ニールの時間軸は主人公たちと逆向き』や『キャットが憧れた女性は解放された未来の自分』なんて言う円環構造はやっぱりスゲーし、よく出来てんなー…と思うんだけど…
ぶっちゃけよく出来てるなーと思う以上の感動はないんです。これまでのノーラン作品って難解でもその難解なストーリーを解決する最後の鍵は『家族愛』『正義感』とか超エモいんですよ。だから、難解でもラストは問答無用で感動しちゃうんですよね…
ただ、今回は主要キャラの主人公もニールもただの舞台装置でしかなく、ラストの別れのシーンはお互いにとって『友情の始まりと終わり』であると言われても、それに至る『二人の友情』が描かれてないのでピンとこない…
多分今回でその要素を担うのは、ヤベーロシア人の妻キャット、DV野郎かつメンヘラチックなヤベーロシア人から解放されると言うカタルシスが描かれているけれども、良くも悪くも彼女のキャラはステレオタイプで面白味は特にないんすよね…
だから、今回そう言うパッション感じるぜ!!!ってのを楽しみに行くと肩透かしに会うのは否めません。
いや、スゲーよ。飛行機突っ込むところとか、ビル爆破とかCG使ってないど迫力かつ、音響バチバチでうひゃーって感じだし、物語も解説読んだら『あー、なるほどねー』となったし…
ただ、見てる間はもう情報の洪水でなんぞこれなわけです。
今まで味わってきた感覚の中で一番近いのはボーボボ読んだ時よ。
理解は出来ないけどおもしれー!!!
そんな映画でした。