2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧
ときどき物語の説明なんてものはしない方がいいように思う。言葉に意味を見出そうとしたとき、それまで無限にあった解釈がたったひとつの陳腐なものに変わってしまう気がするからだ。 ミロのヴィーナスの手は失われたからこそ、無限の美しさを手に入れたので…
前日岩盤浴に行った折に、ライチ☆光クラブを読んだ。 帝一の國と同じ作者ということで、『外連味のあるギャグ漫画』なんだろうなぁー!と思って読み始めたのだが、 冒頭で女性が腸引き摺り出されて殺されるのを見て、ギャグじゃねえじゃん!!!と憤慨しまし…
先日、カートヴォネガットジュニア御大の遺作、『国のない男』を読んだ。 その中で、特に小説の書き方という項目が心に残った。 章の中で御大は物語曲線を丁寧に解説してくれる。 物語曲線とは縦軸を感情の良し悪し、横軸を時間の経過でもって表した表のこと…
日本史上最悪の熊事件、『三毛別熊事件』をモチーフにノンフィクションの巨匠吉村昭先生が綴った大傑作。それが熊嵐である。 ・あらすじ 大正、北海道開拓移民の貧しい村を巨大熊が襲った。熊は計6人の村民を食い殺し、その事件は地域住民を恐怖のどん底に叩…
アルケミストー夢を旅した少年ーは日本では馴染みがあまりないが、世界中で大ヒットしたベストセラーだ。 作者パウロ・コエーリョはブラジル人。2度世界中を放浪した後にアルケミストを書き上げた作家である。 今作は小説というよりかはどちらかというと寓話…