有限会社MUGEN本舗

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オススメしてもらったweb小説を読むその3

yuugentmugen.hatenadiary.jp

 

過去の感想まとめました。

一読いただければ嬉しいです。

 

 

1.愛は奇跡を起こし、そして奪い去る/心琅(こころん)様作

https://ncode.syosetu.com/n5320gz/

 恋人を救う為魔法使いの元を訪れた美しい少女はある取引を魔法使いとするが・・・

 悲しい、なんと悲しいお話。おじいさんが子供に言い聞かす、三人称設定ですので、細かな描写がなくても気にならずスラスラ読めました。

 読んでいてあれこれ物語の結末を予想していましたが、全く当たらず、最後はなんと美しくも悲しいお話なのだとため息が出ました。

 これはアガペー(無償の愛)のお話ですね。ギリシャ神話とかに似たお話がありそう。リア王の「愛とは言葉にできない」と言う言葉を思い出しました。

 ただ、最後に、よかったからこそ、三人称の語り手であるおじいさんの正体が実は〇〇みたいなオチなら更に面白かったのでは!?とか考えちゃいました。

 

 

 

 

2.小鳥のさえずりとアジサイ、6分前の縦読みに気を付けてね/ハルハル(春a裏)様作

https://ncode.syosetu.com/n2821hf/

  twitterでのある女の独白

  ハルハル様には以前『ミニトマトと炎症性』(https://ncode.syosetu.com/n8888ga/)

と言う作品をご紹介いただいておりましたが、世界観はその作品と共通しているので、そちらも是非読んでみてください。

 このtwitterでの独白と言うスタイルは奇をてらっているように見えて、その実芥川や太宰の独りよがり独白文学スタイルの末裔のようですね。昔流行ったブログ文学に通じたものも感じました。

 まず、その独特な一人称を選択した時点で勝利ですよね。

 内容もウハっ!と思わず笑えるような、なんとも言えない仕上がりなところも素晴らしい。この人やっぱりセンスあるな・・・と感じました。(最近で言うと中原昌也がFacebookでの日記を本にしてたし、発表の場と仕方は時代と共に変わっていくなあとシミジミ)

 このSNS文学的なアプローチはパク・・・参考にさせてもらいたい。

 

 

 

 

 3.ほどよい恋愛/ねる様作

estar.jp

 とあるカップルの日常。

 重い女と付き合いがちなことで有名な俺には非常に身に覚えのある内容でした。

 最後にどんでん返しがあるサイコ作品なのかと思いきや、普通に爽やかに終わったのは意外(俺が読み取れていないだけかも)。ある意味道徳の授業で使えそうな内容ですね!

 幼児期は他人と自分の境界があいまいで、自分の感情=他者の感情と考えがちと聞いたことがありますが、ようはメンヘラ気質のヤツはそう言った幼児性が抜けきってないんですよ(辛辣)

 ひとつ気になったのは、二人がご飯を食べてる場所はどこなのでしょうかと言うことです。意図的になのかも知れませんが、そこを知れたらより物語にのめり込めると思いました。

 

 

 

 

4.旅する師弟の一場面/タケモティー様作

novelup.plus

 魔法使い師弟のとある一場面を二人の視点から切り取る。

 二人のすれ違う思惑と一致する感情が良いですね。ラブコメ大好きなので(笑)

 日常チックな内容でホンワカパッパしております。

 タケモティ―様の作品は『とある師弟の帰り道』が面白かったですねー。

 こちらもホンワカパッパなラブコメですが、『将棋×師弟×帰り道』と言うてんこ盛り設定ながら、内容は緩やかな日常と言うのが良かったです。

 清涼剤になりました。ありがとうございました。

kakuyomu.jp

 (勝手に宣伝しちゃってすいません)

 

 

 

 

5.カウントダウンするゾロ目/こいこい様作

https://ncode.syosetu.com/n4247hc/

 ラジオに届く怪談の結末は・・・

 ぞっとしました。

 二週目突入しとるやないかい(笑)!!!

 こう言う不条理系は大好きですね。

 ラジオを通して誰かに伝播していくのかも・・・とか色々と想像が膨らみました。

 

 

 

6.この小説を読んだ人は、必ずブックマークと☆5評価をし、感想とレビューを書いてください。やらない人は……/巫月雪風様作

https://ncode.syosetu.com/n2285hi/

 読む前はタイトルからギャグかと思ってましたが全然違いましたね。とんがった内容でした。

 最近の行き過ぎたポリコレ等は正直『誰のための処置なんだ?』と疑問に思うこともあります。(もちろん思いやりは大事なことです。問題は行き過ぎた配慮)

 星新一の『コビト』を思い出しました。あれぞ風刺(サタイア)短編の最高傑作だと思っております。もしよろしければ『コビト』も一読していただければ幸いです。

 

 

 

7.あたたかい人たち/松井みのり様作.

kakuyomu.jp

 美容師のキョウコとそれを取り巻くあたたかい人たち

 日常系は日常系でも社会人の日常系って久しく読んでなかったので、新鮮な気持ちで読めました。

 とても誠実なお話でした。はっきり言うのは気が引けるけど、ハッとさせられる展開もテクニカルな要素もありません。

 でも、きっと作者様の真心がこの小説には宿っている気がします。

 読んでいてなんだかとてもやさしい気持ちになれました。ありがとうございました。

 

 

:感想:

 ハルハル様の「鳥のさえずりとアジサイ、6分前の縦読みに気を付けてね」は面白かったなー。センスあるなーと唸りました。きっと普通にいろんな賞に応募してんだろうなーと予想。

 今回の7作品でもっともグッときたのは、松井みのり様の「あたたかい人たち」でした。スティーブンキングは「小説とはいったい何か?」と言う問いに「テレパシー」と答えましたが、まさに作者様の暖かな思いがドストレートに伝わる作品でした。