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浅野いにお好きだったことは黒歴史

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浅野いにおさん、鳥飼茜さんご結婚おめでとうございます。

 

自分、何を隠そう、高校の頃、浅野いにおさんのファンでした。

 

おやすみプンプン」「ソラニン」「世界の終わりと夜明け前」は俺のバイブルでした。

 

淺野さんの魅力は、思春期の頃の葛藤…なんて一言で表しきれないモヤモヤを漫画として提示してくれることでした。

 

それは、例えば、笑った次の瞬間ブチギレて人をぶん殴りそうになる情緒の不安定さとか、なんちゃってニヒリズムに浸って、慣れてないタバコを吸いながら夜道を歩く感覚です。

 

もう、20も半ばに差し掛かり、当時、なんであれほど悩んでいたのだろうか?と不思議で仕方ありません。

そのモヤモヤに突き動かされした行動、言動は今思うと赤面してしまいます。

 

そう言う、すこし恥ずかしい思い出と共に淺野さんの作品は俺の心の中にひっそりと絡み合って存在しているので、浅野いにおの作品を読む=恥ずかしい過去を思い出す。と言う方程式が成り立ちます。なので、俺にとって浅野いにお作品は、やっぱり、黒歴史なのです。

 

浅野いにお作品が内包している世界

 

俺はスタンドバイミーという映画が好きで、特に「ここじゃない、僕を誰も知らないところに行きたい」と言って少年が泣くシーンに心を打たれました。

 

そういう、「ここではないどこか」への逃避こそ、浅野いにおワールドを形成する鍵なのではないかと思います。

 

でも、大体の作品で、登場人物達は「ここではないどこか」などないことに気がつき挫折します。

 

これは、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」に非常に近い世界観ですね。

 

 

太宰治は「大人とは裏切られた子供」と言っています。10代後半から20代前半と言うのは、まだ、裏切られることに慣れていません。社会なんてこんなもんと折り合いなどつけられるはずもなく、だからと言って、泣き叫ぶほど子供でもなく、甘っちょろい絶望とナルシズムを抱いて、浅野いにおワールドに浸るのです。

 

やはり、俺は浅野いにお作品を思い出すと、すこし恥ずかしくなるのでした。