ついに、今回で最終回となる。「あえて言おう…ジブリって面白いか」
宮崎駿の後期作品は正におとぎ話。
ほとんど、純文学的なのになぜここまで人を惹きつけるのか?
・整合性など気にするな千と千尋の神隠し
俺は夢でも見てるのか?神さま達がやってくるお風呂やさんを舞台に千尋が両親の為に頑張ると言うお話。
これはよく考えたら身売りの話よな。親のために子供が売られる。
この作品もご多分に漏れず、物語の整合性などないし、ストーリーもよくわからない。
なんで?が見てて連発するんだけど、この作品がいつもと違ったところは、
よく分からないだろうけど、それで良い。
これはこう言うものだから、と割り切っているところだと思う。
見る側もそう言うもんなのか、と半ば強引に説得できるほど、やはり宮崎駿のディティールや場面場面のスペクタクルさと言うものはやはりすごいと思います。
あと、この話のキーパーソン、カオナシがとても良いキャラしてる。
食べても食べても全く満たされない欲望の権化であり、千尋のパートナーはハクよりもカオナシの方がしっくりくる。
この作品から幻想的な、言い換えれば絵本的な要素が出始めて、そのピークを迎えるのがポニョなんだよな。
この作品は誰もが知っているように、アカデミー賞を受賞し、興行収入も300億円を突破。
宮崎駿の王国がピークを迎えた時期でもある。
・本当によく分からないハウルの動く城
このハウルの動く城ほ本当に凄い作品だと思う。これが大ヒットしたなんて嘘だろ?と言いたい。
何が凄いのってもう、それは一言で言うと、「物語を着地させる気すらない」こと。
ハウルを見た人の中で、ストーリーを1〜10まで説明できる人います?
なんで、ソフィの呪いって解けたんですか?ハウルはなんでバケモノになってるんですか?先生はなんで戦争をやめさせたんですか?なんで荒地の魔女と一緒に暮らし始めたんですか?
分からないことが多すぎる。これまでの作品も整合性なんてなかったんだけど、ハウルはそれが一番ひどい。登場人物の心理線が一切説明されないから、今なぜこのキャラがこんなことしてるのかと言うのがまっったくわからない。
ただ、やはり、感動的な場面(そう場面)はあって、星が降るシーンとかとても感動した。
整合性がー
わけわからんー
と言ったけど、ポニョほどじゃねえんだよな
これが
・ホラー映画崖の上のポニョ
ジブリ大好きおじさんなんだけど、実はポニョは一回しか見たことない。
理由は単純に怖いから。
ポニョまでの映画は整合性が取れないながらも物語としては成立していた。(ハウルでさえも)
しかし、ポニョではその物語性すら放棄していた。もう、わけがわからないシーンが1時間半も続くのは苦痛でしかなかった。
それだけならまだ良いとして、ポニョは怖いんだよな。
ポニョと言う謎の生き物に異常に固執されて、津波まで起こっちゃって、え?みんな大丈夫?死んでない?
これ、作りとしてはチャイルドプレイやジェイソンと一緒やぞ。
子供のために作ったそうなんですが、正直子供もポッカーンでしょ。
正確に言うと、宮崎駿の幼児性のみで作られた映画なんじゃない?
もはや、シュールレアリズムの世界。
それでも大ヒットしてるわけだから、宮崎駿は誰も止められない。
・最終作にして最高のプライベートフィルム 風立ちぬ
見た人なら誰もが気づくとおもうんだけど、
主人公は宮崎駿だよね?
宮崎駿の監督最終作品は紅の豚と同じように、自分のために作ったプライベートフィルムでした。
しかし、これ、めちゃくちゃ面白いんだよな。
紅の豚との違いは、紅の豚はプライベートフィルムであることは隠そうとしていた(バレバレだけど)けど、風立ちぬは誰がどう見てもプライベートフィルムなのだ。
その証拠に、結婚初夜、2人がガッツリキスするシーン。こんなの絶対にこれまでの宮崎駿映画ではやらなかった。
出てくる飛行艇も宮崎駿が好きな、実用性のなさそうな、優雅で少し間が抜けている。
それに比べて零戦の描写なんてとてもあっさりしている。
大好きな飛行機を作る主人公と自分を重ねて、モノづくりをするものの呪いを描いた本作は間違いなく宮崎駿の集大成であり、大傑作である。
・それでも大好きスタジオジブリ
いろいろ書いたけど、俺、スタジオジブリ大好きですよ。整合性が取れてなくても、無茶苦茶でも、名作であることには違いない。
みんなも是非、スタジオジブリを見返してほしい。