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あの日、俺は1人だった。

人生で一番孤独を感じた瞬間は、友達いなくて修学旅行で1人呆然とした時でも、精神病んで1人で夜明けまで部屋の隅を眺めていた時でもない。

 

あれは2013年の夏だった。

 

当時、僕は大学の講義をサボり、日なが1日ぼんやりと酒を飲んだり、ギターをつま弾いて過ごしていた。

なぜそんな自堕落になったのか?自分でも説明が出来ない。思い出せない。キッカケはほんの些細なことだったと思う。

ある日、講義を1度サボったらズルズルと休んでしまって、行くのが億劫になってしまったのか…理由なんて忘れてしまった。

親にガミガミ言われるのが嫌で、朝早くに大学に行き、教室には行かず、近くの公園や部室で過ごしていた。

バイトもしていなかった。

人は不自由の中に居てこそ、自由でいられるもので、単位修得、勉学に勤しむ等の指針を失った俺はその自堕落さに日に日に沈み込み、何をするのも億劫になっていた。

 

 

とは言うものの、金がなくなればタバコも酒も買えないし、ライブにも出れない。

仕方なく俺はバイトを探すことにした。が、探すのも億劫だった。なら誰かに探して貰えばいいと、俺は人材派遣会社に登録することにした。

 

人材派遣に登録する為には一度事務所に行かなくてはならない。

事務所に電話すると、昼の12時に来いと言われた。平日だったけど、なんてことはない。俺は学校に行っていなかったので、24時間いつでもオッケーだった。

 

その日も朝早くに家を出た。

事務所は名古屋駅にある。9時に駅に着いた俺は、あと3時間ブラブラと時間を潰すことにした。

外は大雨だった。夏だと言うのに、寒さが身にしみた。履いていたサンダルはすぐにぐしょぐしょになって、歩くたびに気持ち悪かった。

 

事務所は名古屋駅の西口にあった。

名古屋駅の東口はHALやら大名古屋ビルジングやら華やかな高層ビルに囲まれているが、西口は少し歩けば風俗店や安い連れ込み宿が立ち並んでいて、いつも陰気な雰囲気がしている。

 

たまらず、コンビニに入って漫画を立ち読みするも、濡れた体がクーラーの冷気によって更に冷たくなった。

外を見ると、薄暗い街を人々が歩いていく。

その姿を見た瞬間、俺はたまらなく泣きそうになった。

 

彼らには目的地があって、そこに向かって歩いているのに、俺は一体どこに向かえばいいのだろう。

そんなことを思うと、惨めで惨めでもうどうしようもなくなってしまった。

 

 

3時間過ぎて登録を終えると、俺は一目散に大学に行った。幸い部室は空いていて、そこには見知った友達が大勢いた。

 

あの光景を見たときの安堵感は未だに忘れられない。

 

今でもあの体験を思い出すと胸が締め付けられる。

 

その後、俺はめでたく留年し、親にブチ切れられるも、頭を下げに下げ、なんとか大学に行かせてもらった。また留年生活もいろいろあったのだが、とかく、あの雨の日に比べれば天国のようだった。

 

上がるのは大変だが、人はいとも簡単に落ちていくんだなと、当時の自分を客観的に捉えられる。

現実から逃げるよりも戦っていた方がずっとが楽なのである。

 

うまくまとめられないけど、そんな話でした。はい。

 

(またうまい言葉が思いついたらしめを書き直すよ)

 

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