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リトルピープルが人を殺す時代

 

テラスハウスと言う恋愛リアリティ番組に出ていた木村花と言う女の子が死んでSNSは大騒ぎである。

 

まだ死因について、はっきりとした情報は公式にアナウンスされていないが、どうやらSNS上で彼女に対する行き過ぎた誹謗中傷が原因で自殺したと言う説が濃厚らしい。

 

彼女の死が報じられてから俺はずっとモヤモヤしている。モヤモヤし過ぎて寝れやしない。

 

まあ、寝れないのは今日昼寝したと言うのも理由のひとつなんだけど。

 

SNSを見れば、著名人達が誹謗中傷について叫び、それに一般人が群がり、やんややんやと騒ぎ立て、論点はズレまくる。一方で木村花さんに誹謗中傷していた奴らを特定して攻撃的なメッセージを送っている輩が現れる。遺族に対してリプがバンバン飛びまくる。youtubeでは故人の死をネタに再生数稼ぎに勤しむハイエナも現れる始末。

 

まさに地獄絵図である。

 

そんなのを見ていると気が滅入ってくる。

 

俺はそんなもの見たくないのだが、これだけのムーブメントになると、見たくなくても俺のフォロワーが該当のTweetをリツイートしたり、意見を述べていたりしているので、嫌でも目につく。

 

なので、今日一日はほとんど創作アカウントの方しかTwitterは見なかった。

 

創作アカウント界隈は平和である。

みんなどこかの誰かの死ではなく、自分の作品のことしか考えていなくてとても健康的だ。

 

とは言え、夜になり、1人布団に入ると色々と考えてしまう。

 

若くて綺麗で有望視されていた女子プロレスラーが無責任な集団的悪意によって殺されたなんてやりきれない。

 

夜中にモンモンとこの事件について考えていた時に思い出したのは、リトルピープルについてである。

 

リトルピープルとは、村上春樹の1Q84に出てくる謎の存在である。

 

この存在について詳細に説明すると長くなるのでかいつまんで説明する。

 

1Q84は説明するまでもなく、ジョージオーウェルの1984にインスパイアされた作品である。

1984にはビックブラザーと呼ばれる独裁者が登場する。その対照的な存在として1Q84に登場するのがリトルピープルだ。

 

リトルピープルとは精霊的な存在として作中で描かれている。彼らは太古の昔より人々と共に生き、時として世界を影で動かしてきた存在である。

 

リトルピープルについて作中で詳細にその正体について説明されることはなかったが、『無名の人々の集合的悪意』と見るのが一般的な解釈の仕方である。

 

古くは魔女狩り、近代で言えばオウム真理教のテロに代表される様に、普通の人々が、集まり、増長し、狂い、悲劇を生むことが歴史の中では何度もあった。

そう言ったものを村上春樹は作品の中でリトルピープルと言う名前を与えて具現化したのである。

 

複雑化した現代において、ビックブラザーの様な独裁者が日本に於いては誕生するのは考え難い。代わりにリトルピープルが台頭していると言われれば頷ける。

 

リトルピープルの力はSNSの登場で加速度的に大きくなったと言ってもいいだろう。

人は簡単に繋がることが出来る様になり、その悪意もまた簡単に大きくなるのだから。

 

 

さて、今回の事件だが、番組内の些細なことが原因で木村花さんの元には毎日誹謗中傷のメッセージが届いていたそうだ。

 

暇人達がいたものだ。

 

テレビを見ていて腹立たしかったりすることはあれど、その人の元にまで言って悪口を言おうとは普通の人は思わない。

 

しかし、稀に変わった人たちがいる。しかもそんな変わった人達の言葉も、日本中から集めたらとんでもない数になる。そして、その集合的悪意が人を殺したのである。

 

恐ろしいし、胸糞悪い。

 

俺は昔から友達なんていなかったし、常にマイノリティで、なんならいじめられっ子だったから、今回のリトルピープル的な存在が狂おしいほど嫌いである。

 

人と言うのは群れるとどこまでも残酷になれる生き物なのだ。

 

(※詳しくは以下の記事で俺の学生時代について詳しく書いてあります)

 

 

これは形を変えた全体主義であり、ファジズムの亡霊であり、ボルシェビキの残党である。

 

それはちょっと違うか。

 

今回の一件、誹謗中傷をした人間達なんてハッキリ言ってしまえば殺人犯である。

でも、だからと言って彼らに悪意を投げつければそれもまた殺人未遂なのである。

 

今更喚こうが何しようが死んだ人間は戻ってこない。俺たちに出来るのはリトルピープルが目の前に現れた時、NOを叩きつけることだ。

 

とは言え、この世から誹謗中傷がなくなるとは思わない。だから、その数を少しでも少なくして、二度とこんな胸糞悪いことが起きないように運営側であるTwitterとかFacebookは然るべき策を作ってくれればいいなと思います。

 

なんか、まとまんねえな…

いくら考えても胸糞悪い…

もう、疲れたので寝る…